等高線から地形を読む

このページのまとめ

  • 等高線が丸く閉じているところは、ピーク(山頂)。
  • 等高線の間隔が狭いほど傾斜は強い。
  • 尾根の等高線は、山頂から凸型に外へ出ている。

等高線の解説

「等高線?そう言えば小学生の頃に習ったような…」という方も多いと思います。簡単に復習してみましょう。

等高線って何?

等高線は、地形図上で同じ高さの点を結んだ線です。交差したり、途中で分かれたりはしません。

2万5000分の1の等高線

等高線が丸く閉じているところは、ピーク(山頂)です。たとえ低い丘でも周囲より高くなっていれば、そこは丸く閉じた等高線になります。

2万5000分の1の地形図では、等高線の間隔は細い実線が10mごとに、太い実線が50mごとに印刷されています。

等高線から傾斜を読む

等高線の間隔が狭いほど傾斜は強く、広いほど傾斜はゆるやかになります。

急な傾斜の等高線  間隔が狭い=急

なだらかな傾斜の等高線  間隔が広い=なだらか

山の形を等高線からイメージ

上で挙げた等高線の特徴を踏まえ、等高線から実際の地形をイメージする練習をしてみましょう。

山頂の形
(例)
等高線の特徴
(国土地理院へのリンク)
実際の写真
(Google画像検索へのリンク)
とがった山のイメージ
(槍ヶ岳/長野県)
頂上は
狭く閉じている
槍ヶ岳の画像
火山型ピークをもつ山頂のイメージ
(大室山/静岡県)
頂上は
広く閉じている
大室山の画像
3つのピークをもつ山頂のイメージ
(燧ケ岳/福島県)
頂上付近に
閉じた丸が3つ並ぶ
燧ケ岳の画像

読図用語としての「尾根」と「谷」

等高線に加え、読図で押さえておきたい知識が「尾根」と「谷」です。

尾根って何?

谷と谷に挟まれた、山地の一番高い部分の連なりのことです。稜線とも呼びます。地形図上では、山頂から外側に向かって凸型に等高線が出ています。

谷って何?

山や尾根に挟まれた、周囲より標高の低い箇所が細長く溝状に伸びた地形のことです。沢とも呼びます。地形図上では、山頂から見て凹にへこんだ等高線になっています。

尾根と谷の例えの画像

尾根と谷の関係は、山を手に例えると理解しやすくなります。手の甲の一番高いところが頂上、指が尾根、指の間が谷になります。

尾根と谷を見分ける練習

慣れないうちは、等高線から尾根と谷の区別がしづらいです。地味ですが、以下の練習が効果的です。

  1. 等高線が印刷されている地形図をコピー。
  2. 地形図から適当な山の頂上を探す。
  3. そこから凸型に張り出している尾根を、線を引いて追いかける。

色を変えて谷でも繰り返せば、徐々に見分ける力がついてきます。

最後に

等高線から山の形や、尾根・谷の形状、傾斜をイメージできるようになれば、ハイキングの楽しみ方が広がります。

また、これらの読図知識は、道迷いの予防という安全面でも効果があります。

読図力を高めるには、地形図を読む→ちょっと先の地形や景色を予測する→実際に確認する、の繰り返しが一番です。

まずは休憩時に地形図を広げることから始めてみましょう!

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